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空撮マルチコプター 墜落の背景 [撮影]

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先日のデジタル朝日の記事。名古屋のテレビ塔を撮影していたマルチコプターが墜落!飛ばしていた方が、書類送検されたという記事です。そんなところで飛ばすなよ~、アブナイじゃないか!というのが一般的な反応だと思いますが、現役時代に実機のへり、空撮用へりの両方に関わったことがあるので少し別の角度から考えてみました。

当時、墜落したマルチコプターを操縦していた方が動画をアップしています。あちこちから袋だたきにあったので、動画をすぐに削除したようですが、デジタル社会の怖さ! すぐに別の場所で再生可能になっています。




幸い負傷者はいなかったようですが、反省なきこのパイロットにたいして警察が根拠にしたのは、航空法違反。当時、このマルチコプターが、実機の最低安全高度150メートルを超えて飛んでいたので飛行機の安全に支障がある・・・というわけです。

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↑ そのあたりを航空局がわかりやすく図解したものです。しかし、このケースは、人家などがない海とか農地などの場合です。ところがこのマルチコプターがフライトしていたのはこんな田舎じゃありません。

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その夜、このマルチコプターを飛ばしたのは、周辺はビル街の名古屋のテレビ塔です。
こうした密集地では、いちばん高い建造物のさらに上空300メートルが最低安全高度とされています。

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↑ 同じく航空局が図解したものです。テレビ塔の上、さらに300メートルが実機の最低安全高度です。

そういうわけで、このマルチコプターが動画のようにテレビ塔のすく近く高度150メートルを飛んでいたとすれば実機の安全を妨げていないので、航空法違反として扱うのはちょっと無理があるかなと思います。

さらに、このラジコンヘリはテレビ塔のすぐ近くを飛んでいました。テレビ塔はさまさまな周波数の電波の送受信に使われていますが、ラジコンヘリとは周波数が違っていても強電界による抑圧効果で受信不能、つまりラジコンはノーコンに陥る危険性もあるようです。

じゃ、同じ空をとぶこのマルチコプターを航空機として航空法でさばけないか?というと、いまの法律では「人が乗って空を飛ぶモノ」となっているため、自由に飛び回るマルチコプターをなんともできないので拡大解釈に踏み切ったのではないかと思います。

警察が近ごろ流行の「解釈」で書類送検に踏み切ったのは、マナーを守らない一部マニアの危険な実情にはどめをかける・・・ということもありますが、前倒しで来年度から導入がきまった自衛隊の無人機に備えて法を整備したいという前触れではないかと推察・・・。

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導入予定のグローバルホークがそのうちマーベリックなどのミサイル抱えて日本上空を飛び回るわけです。

マルチコプターは高度150メートル以下なら、実機の邪魔にならないし自由に飛べばいいのだ~と誤解している方も多いようで、人や人家の上など危険なフライトが増えているわけです。一部のマナーを守らない連中のために、そのうち無人機でひとくくりにされて規制され、実機なみにフライトプラン提出!なんてことになるのを恐れております。

こうした無人機は、ラジコン飛行機、ヘリが先駆者として歴史があり、試行錯誤しながらクラブ単位で飛行場や場所を確保、管理して安全第一に趣味としてやってきました。また、農薬の空中散布が代表的な産業用無人ヘリは、用途が水田、農地に限定され、一定の高度はとれないようにチップが埋め込まれていたり、メーカーが操縦士のための学校を作りパイロットを安全面を厳しく管理しています。それでも、死傷事故が起きているのが現実です。


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通りすがり

今回の事故について調べていた所、この記事を見かけましたのでコメントさせて頂きます。

航空法99条の2の第一項と第二項には以下のような記述があります。
第一項…航空法施行規則で定める飛行に影響を及ぼす恐れのある
行為を行ってはならない。
第二項…航空法施行規則で定める飛行に
影響を及ぼす恐れのある行為行う場合は、あらかじめ、そ
の旨を国土交通大臣に通報しなければならない。

具体的には、
① 高度が、250mを超える場合。
② 滑走路延長線上5km以内で高度が150mを超える場合。
③ 定期航空路直下で、高度が150mを超える場合。
(航空法施行規則第209条の3と4に記述されています)
以上の条件に当てはまる高度と場所で物体(ロケット・気球・模型飛行機・花火など)の飛行を行う場合には、国土交通省へ上空使用許可をもらわなければいけません。

当方は名古屋市内在住ではありませんので詳しくは知りかねますが、調べによるとテレビ塔上空は航空路直下であると思われますので、今回の航空法違反の適用は適切なものと言えます。

私は「モデルロケット」というものを趣味でやっております。
ロケットエンジンを扱う者にとって、上記の内容は誰もが把握していて当たり前のものです。
マルチコプターに関しては、知名度と生産台数だけが先走りしており、利用者のモラルが追い付いていないのが現状です。
恐らく今後も、このような事故が多数発生するものと思われます。
法規制とまでは言いませんが、協会等を設置し、主導してマルチコプター利用者に対する様々なキャンペーンを行っていただければ、少しは状況が改善するのかな…とも思います。
いっそのこと、モデルロケットのようにライセンス制にするのも悪くありませんね。
by 通りすがり (2015-03-07 03:15) 

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